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今日の救急外来

やっと24時間当直が終了です。
救急外来では、当科に限り幸運にも救急車での受け入れは無し。
みなさん健康で何よりです。
独歩してきた人が数人
①1ヶ月前からの頭痛で、MRI希望
 →救急外来ではMRIは必要ある患者のみと説明し、外来受診すすめる
②両手両足の指先の痺れ
 →うつ病だったので、過換気症候群と診断。外来で改善し帰宅。
③昨日の頭部打撲
 →たんこぶだけだったので帰宅
④悪性腫瘍末期の人の頭痛
 →深入りせずかかりつけ医に紹介

あまり脳外科医の仕事をしなかった一日でした。
でも、ちゃんと病棟業務もこなしてますよ!!


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新臨床研修制度への感想 [ぐったり]

新臨床研修医制度ができて2年が経過しようとしている。
各科に直接入局することが無いため、専門的知識の向上にはつながらない反面、満遍なく様々な科を学べることで、初期診療をそつなくこなすことができる、という謳い文句で始まったこの制度。
はたして実情は・・・・

私は直接入局をし、科の研修ローテーション前半の3年間に、脳神経外科・消化器外科・心臓血管外科・麻酔科・3次救命救急センターをそれぞれ学んだ。各科6ヶ月の研修後、晴れて4年目から脳神経外科常勤医として働いている。他科に在籍中も、脳神経外科の当直もこなしていたし、脳外科の緊急手術にも参加し、3年目であったが3次救命救急センターの代表当直も任されていた。つまり外科系のローテーション(私の所属する大学)は、特殊疾患以外は対応できる研修システムであり、私も今現在まで困ったことはない。(糖尿病・骨折・抜歯・虫垂炎・などなど普通に対応できます)

私の勤務する病院も、その指定病院となっているため、約20人程度の研修医が在籍している。かれらは2年間の研修後、どこまで成長するのであろうか。私の評価を以下の通りである。

①科が変わるたびに、疾患の勉強に終われるため、家族への説明の仕方など接遇がおろそか
②主治医になることが無いため、当直終了後にすぐ帰宅。(責任感の薄れ)
③教えてもらう前に、自分で予習する意欲が薄い(国家試験レベルの内容のみ)

これ以外にもあるが、まずはこんなものであろう。結局、国家試験勉強を日常業務に当てはめている程度のものでしかない。ポリクリに毛が生えたものであろう。そして3年目、後期研修に入りやはり専門分野に分かれていく。結局、2年間遠回りし、昔の研修方法に戻るのである。
所詮各科2ヶ月程度の研修では、見学程度の研修しかできないのである。
われわれ脳神経外科医が、分娩をあつかうことはないし、精神科の薬を山ほど処方することはないのである。餅は餅屋である。

しいて、今の制度のうらやましい点は、理想のイメージと現実を直視でき、訴訟の多い・全てにキツイ科の現実を見ることができ、選択から外すことができることであろう。ま、その結末が各科の医師不足につながっているのだが・・・・


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今後の脳外科医

皆さんご存知通り、特に第一線の病院で働くお医者さんの方は身にしみてわかっていると思いますが、日本の医療が崩壊寸前です。

原因はたくさんありすぎて、きりがありません。ただ今いえることは、今のままでは日本の医療が悪い循環に入って抜け出せなくなる、ということです。

何かこの循環を断ち切る、Breakthroughが必要です。つまり付け焼刃的に行われている制度、それに伴う医者を取り巻く環境を、変えるしかないのです。

私の提案
①診療報酬に見合った給料の歩合制(+超過勤務に対する正当な報酬)
②個人に対して医療訴訟の責任を負わせない(悪質例やお粗末なミスは除く)
③医療システムの制度化(1次→2次→3次と適正人員の配置)
④医療費値上げ(健康を取り戻すための費用が安すぎて、患者自身の健康への意識が薄い)
⑤高度医療病院の入院費の値上げ(救急病院に長期入院は無意味)

つまり

患者様へ
日頃から健康に気を使う。生活習慣病を回避することが、今後もっとも重要です。病気を予防し、治すことは、自分自身の仕事です。医者はそのお手伝いをするだけですから。

医師へ
あまりお粗末なミスはやめましょう。みっともないです。

お役人の方へ
病院(医師の給与など)への経費削減は、あきらかに医療の質を下げますし、医師のやる気をなくします。公立病院をつぶしたいのなら、そのまま継続し結構です。また、いろんな責任を医者だけに押し付けないでください。そもそも今起きている問題はこんな医療制度にした、医療現場を知らないあなた方の責任ですから・・・・数字だけにとらわれないで、現場を見に来てください。

よろしくお願いします


今年の夏休み

最近はイライラする内容が多かったのですが、今回は海外旅行について
今年は南米に注目してみました。
ペルー・リオ・コロンビア・アルゼンチン・モアイ島・・・・なんか神秘を感じます。
交通費も比較的安かった!ツアーで行けば、200000円以下で8日間いける!意外とOn seasonのハワイに比べたら安いのだ!!!
ということで、今年は南米が暑いぜ。

しかし、日本の夏は、南米の冬ですから・・・・

なにか良い情報があればコメントください。


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ワールドカップの偶然

本日、残念ながらサムライブルーたちは、ほんとにブルーな顔つきになってしましました。大会前は散々ちやほやされていながら、結果は世界との差を痛感した結果となりました。
とくに今大会では、試合中盤からの粘りとスタミナが”全然”なし、といっても過言ではないでしょう。あとはFWの詰めの甘さ・・・○沢のどうしてはずせるの?ってくらいの、あのシュート!選手から保護の言葉もあったようですが、君達はプロ!なんです。それで飯を食って、高給をえてるのです。ビジネスクラスでドイツまで行き、良い施設で地元民シャットアウトで練習までして・・・
2010年は参加できるのかさえ、心配になってきます。髪の毛を染めたり、ファッションを気にするまえに、もっとプロ意識を高めてほしいものです。

ところで、そんなワールドカップ日本戦にも感謝することがあります。というのも、私の勤務する病院は夕方5時から翌朝8時までは、救急外来で患者さんを対応しています。常に20-30人の方が一晩に来院します。ところが、大会が始まったとたん、AU戦2人・クロアチア戦2人・ブラジル戦0人・・・・ちなみにこの方々は全員入院した重症な方です。こんな偶然てあるのでしょうか??
夜間に来る方の中には、”昼間これないから・・・””夜になったら不安になった””夜はすいてるので・・・”と、我々の気持ちを逆撫でするような発言します。ありえません!でもこれが現実・・・
この3日間は、自分の症状よりもサッカーの試合が大事だったのでしょう。そのような方は、よるではなく昼間の外来にいらっしゃってください。お願いします。当直医もコンビにではないので、24時間は起きれません。その翌日も通常業務ですので、多少は気を使っていただけると幸いです。

これは蛇足ですが、救急外来に勤務する人は別ですが、当直業務は”入院患者さんの症状変化に対応すべく宿直すること”と定められています。つまり救急外来で、救急医が対応できない場合の各科当直医による診察は、サービスです。あしからず・・・


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善意は罪

 最近の裁判の判例で、我々には一大事な事例が発生した。クモ膜下出血の手術(クリッピング術)の際に、瘤に接している血管をクリップで閉塞させてしまったことに対して、注意義務責任が適応されたことである。
 何故一大事か?細かい事の経緯を知らないと、文句もいいようがないのだが・・・
確かに知識もない人間が、不用意にクリップをかけて、かつ血管を温存させるべく努力をしなければ、これはしょうがない。(なっとくします)しかし、誰もがなりたくない脳外科医にわざわざなって、かこくな労働条件の中、めんどくさい手術を請け負っている人が、あえて大事な血管をつまみますか!
私から言わせれば、人間できないことはあるんです!無理なものは無理なんです!これでも日本の技術は世界一でしょう。この環境に満足しない方は、宇宙人に手術してもらうべきです。
 さらに、脳外科はどの疾患であれ、症状が出てからでは治りが遅いのが一般的。なので予防的手術が行われる。しかし、これが一点した。十分に説明をしたにも関わらず、予防のために行った手術で、軽いトラブルがおきた。当然、リスクも説明済み。しかし、結果責任ときたもんだ!!
 患者・裁判官・弁護士の皆様は何を考えているのですか?自分の腕自慢でもしたいのですか?自分がミスをしたときに、傷ついた我々の人生はどのように弁償してくれるのでしょうか?そもそも100%を望むなら、はじめから病気にならないで病院に来ないでほしいです。我々も人間ですから100%完璧な医療はできません。
 すくなくとも裁判官・弁護士の方の診療は、敬遠されるでしょう。だって我々の善意を罪と受け止める方ですから、患者と医師の信頼関係はできませんからね。


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究極のインフォームド・コンセント

我々医師は、治療に際して患者の意思決定権を尊重し、その効果・リスクを十分説明した上で、患者さん個人個人にあわせた最善な治療を施す、ということになっている。その説明の際の内容が、現在の医療問題の発端となっているのではないか。つまり良い効果のみを軽く説明しているために、予期せぬことが起きると、”ほれミスしただろう””そんな話は聞いていない”などのクレームが来る。
私は上司より受け継いだ考えで、その辺の事に関しては非常に細かく、甘い説明は許さない。患者がビクついてもかまわない、他院に逃げてもかまわない、くらいの気持ちでお話している。行き過ぎたことで患者が治療の機会を逸するという指摘もあるが、別に治療の封じ込めをしているわけではない。説明の最後には症例数の多い他院での治療もお勧めしている。(当院も手術件数年間200-300件なので多い方だが)私は外科医なので手術で患者を救う手助けをすることに生きがいを感じているが、自分の病気を理解しない方や病気を治そうと努力しない方への手術適応はないと考えている。

そこで、私の上司からの一言
「生きてる健康な人間でさえ、いつかは死にます。つまり病気・治療行為など人体に影響をあたえる行為は、さらに死につながる可能性があります。風邪や盲腸だって病気は何もしなければ、人の命に関わります」 このことを理解されないご家族の方には、申し訳ありませんが手術できません。外来においてもこのフレーズは欠かせません。


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具合がわるい・・・

或る日診察室(実際の会話)
3歳の子供をつれて来院、ちなみに徒歩で。
母親「こどもの具合が昨日から悪いんです」
私「どのように悪いんですか?」
母親「いつもとちがうんです」
私「なにがいつもと違うんですか??」
母親「昨日デパートでショーケースに頭をぶつけてから、しゃべらなくなったんです」
私(こどもに向かって)「こんにちは!」
子供「こんにちは」
母親「・・・・・・・」
私「どこか痛いの?昨日はどうしちゃったのかな?」
子供「ママがOOを買ってくれないの」
私「お母さん!この子はすねてるだけですよ・・・・・」
母親「・・・・・・・・すいません」

結局、デパートでだだをこねてる最中に、ショーケースに頭をぶつけたらしい・・・
(所要時間3分)

最近の母親は、こんな子供心さえも理解できず、具合が悪いと心配するのだろうかとなさけなくなってしまった。新患だったので、予約患者さんを3分間待たせてしまった・・・この繰り返しで脳外科の外来はいつも混雑しています。


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医師不足について

最近、過疎地での医師不足になやんでいる記事を見ることが多い。
とくに産婦人科・小児科・そして私の専門である脳神経外科だそうだ。
なぜか?簡単なことである必要な機器・人員がいなければ、診療ができないからだ。福
島県では一人でがんばって診療していた産婦人科医師が、診療中に殺人罪で逮捕されるなどという、とんでもない警察の横暴がおきている。この事件は、すくなくともこれから自分の専門を選ぼうとしている研修医に大きな影響を与えたことは間違いないであろう。
つまり医師一人に責任を負わせる世の中であるかぎり、過疎地医療は破綻することは間違いない!ある地方では年5000万円で一人の医師を雇ったという。5000万円って確かに高額ですが、365日24時間働いて私生活がなくなるんだったら、普通の人なら拒否しますね?訴訟が起きれば一瞬で1億円ですよ!!
それなら、もっと安くていいから仲間の人数が多い、都会の大病院を選びますよね。今の医療制度が根本から見直されない限り、この問題は解決しないのだろう。


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医は算術??

医師となり10年が経過した。そこそこ経験も積み、今では主治医・執刀医として第一線で働いている。
私が医師になった頃は、医師と患者は対等の立場でなければならないと言われていた時代で、ある意味、医師>患者の時代であった。
しかし、この10年の間で医師=患者を通り越して、現在は明らかに患者>医師の関係になりつつある。別にどの関係が正しいと思っているわけではないが、最近は我々に対する風当たりが強い。

一回の訴訟になると、1億円ははるかに超えます。しかし、治療がうまくいった場合、患者さんが支払う値段は、我々脳神経外科では健康保険3割負担で100万円前後でしょう。その中で担当医がもらえる収入は0円です。勤務医ですから・・・・
つまり我々医師は、こんな馬鹿げたリスクを背負っているのです。訴訟が多くなると、安い給料でハイリスクの科に入りたくなくなるのは至極当然です。医は仁術をいいますが、今の日本には死語であり、算術というのが正確かもしれません。


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